ロコモティブシンドロームとは
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を言います。
この症状が進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。
いつまでも自分の足で歩き続けていくには、運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが大切です。
当院では、多くのご年配の方が抱える節々の痛みなどから、なるべく体を動かしたくても運動が億劫になるという方々につきましては痛みの悪循環を解消に努めてまいります。
痛いからと動かないでいると、サルコペニア、メタボリックシンドローム(メタボ)、フレイルとなり、さらに体に負担がかかるようになります。
サルコペニア
骨格筋萎縮のこと。誰もが加齢に伴い筋量や筋力は低下します。
50歳を過ぎると平均で、下半身は約50%、上半身は約20%、その後は毎年約2%ずつ低下するといわれています。
老年症候群(フレイル)は、運動療法により、遅らせることは可能です。
AWGS(アジア人用)では、60-65歳で、握力男26kg、女18kg以上、歩行速度分速48m以上を正常としています。
当院では、バイオインピーダンス法による骨格筋量を部位別に測定する装置(インボディ770)があります。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪が増え、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)や血管の病気になりやすくなっている状態をいいます。
動脈硬化が進行すると、日本人の死因で多い急性心筋梗塞や脳卒中などの血管性病変を発症するリスクが高まります。
当院では、安全に運動して頂くため、循環器内科医が各種メディカルチェックし、個人個人の目標値を設定していきます。
フレイル
加齢とともに運動機能や認知機能が低下してきた状態をいいます。
要介護に至る前の状態(要支援)ですが、当院では、要支援にならないよう少なくするようにして、健康寿命をのばしていきたいと考えています。
認知機能低下の評価と楽しく運動し頭を使い、向上するのを目的とした運動器機コグニバイクとデジタルミラーがあります。
運動療法でロコモを予防
当院は痛みを解消するだけでなく、いつまでも自分の足で歩き続ける、あるいは日常生活などに欠かせない運動器を鍛えるために行うロコモーショントレーニングの指導(片脚立ち、スクワットなど)や、リハビリテーション室で筋力トレーニング機器を用いての訓練などにより、ロコモの予防・治療を行っています。
詳細につきましてはお気軽にお問い合わせください。
現時点でのロコモ度をチェック
最近なぜか疲れやすい、体力が衰えているようだ、つまずきやすくなっている、といったことを感じられている方は、自己のロコモ度を一度チェックしてみてください。
以下に挙げるチェック項目でひとつでも該当する箇所があれば、ロコモの疑いがあります。
1個以上あるという方は、遠慮せず当院へご相談ください。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要である
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 15分くらい続けて歩けない
- 2㎏程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
- 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である。